2019年『このマンガがすごい!』 オトコ編 第1位の本作、まだまだ謎の多いストーリーに加え、アニメ化のクオリティはどんなものか。
あの名作「AKIRA」を髣髴とさせる作風も気になります。
もくじ
天国大魔境がついにアニメ化!放送局や放送開始日は?
「天国大魔境」の最初の放送日は
「天国大魔境」の最初の放送日は2023年4月1日(土)~スタートとなっています
放送局は全部で8局
「天国大魔境」の放送局は全部で以下8局です
・TOKYO MX
・RKB毎日放送
・テレビ愛知
・北海道テレビ
・MBS
・BS11
・AT-X
・RKK熊本放送
一番早く観られる放送はTOKYO MXとBS11の土曜日 22:00~となっています
制作はProduction I.G
作者は石黒正数さん
これまでの主な作品は
・「アガペ -犯罪交渉人 一乗はるか」
・「それでも町は廻っている」
・「ネムルバカ」
・「外天楼」
・「響子と父さん」
・「木曜日のフルット」
・「ヤンキー嬢ちゃんの不確かな真実」
中でも、それでも町は廻っているは第17回文化庁メディア芸術祭マンガ部門(2013年)優秀賞、第49回星雲賞コミック部門(2018年)受賞。
通称「それ町」としてマンガ好きの中でも人気を多く集めた作品になります。
天国大魔境のあらすじ

あらすじ(超簡単に)
大災害から15年後、文明の崩壊した日本が舞台
隔離された施設(天国?)
ある日「外の外に行きたいですか?」というメッセージを受け取ったトキオ。施設の園長はトキオに「外の世界は地獄だ」だという。
荒廃した外の世界(地獄?)
少年マルと少女キルコが旅をしている。人間を食す人食いヒルコを退治しながら、「天国」と言われる場所を目指す。
物語の感想
二つの世界の描写が行き来しながら物語は進んでいきます。
旅をしている2人はほのぼのとしているので、急にグロかったり、残酷な描写もあってびっくりします。これはストーリの流れを重視しているからではないでしょうか。
悲しく切なく、虚無感や絶望感も漂わせます。
それでいてマルとキルコの二人は決して悲観的にならず、むしろ前向きに楽観的に旅路を進んで行きます。
出会う人達はみんな個性的なキャラクターで、終始目を離せません。
こういった雰囲気がある作品はあまり見たことがないので一風変わったものや、王道なキャラクターやストーリーに飽きてしまった人には是非おすすめしたい作品です。
時々、エロの要素
作者はキルコを自分好みの女性にしたかったらしく、加えて姉という存在に対して深い興味があるようです。
「妹の姉ではなく、弟の姉じゃないとダメ。弟1人姉1人。ずっと同じ家に一緒に暮らしていないとダメ。自分に姉がいることがわかって、
突然一緒に暮らすことになりました、とかいう設定は萎えます。」とあるインタビューで言っていたそうで、姉に対しての深いこだわりが見受けられます(笑)
細部へのこだわり
登場する小物にもディテールをしっかり詰めようと思い、キルコが持っている「キル光線」は実際に作ったらしいです。
日曜大工屋で材料を買ってきて、既存の銃の持ち手と組み合わせてそれっぽく制作。
世界観や物語も細部まで作り込んでいますね。
話にオチを付けないと納得してもらえないという強迫観念
後述しますが、作者は藤子不・F・二雄が好きなだけあって、これまでの漫画作品はある程度の尺で落ちを付けなければならないという強迫観念があったそう。
天国大魔境にもそうしたオチが効いている部分が要所で見受けられます。
あとは物語の伏線回収
1巻のおわりの時点で必要なカードは裏向きにして並べ終えたような状態なので、これからはもうどんどんめくっていく感じです。沢山の伏線が徐々に回収されていく。長編ならではの楽しみですね。
今まで自分がやったことないので不安しかない、だめなら突然トーナメントバトルに突入、1巻でばらまいた伏線も回収せずにキルコが優勝みたいたいな展開を描かずに済むよう頑張りたい。
これからは物語の謎がどんどん解明されていくよう示唆されていますね。今後の展開が楽しみです。
作風が「AKIRA」に似ている?

荒廃した日本の廃墟群、キャラクターの雰囲気もどことなAKIRAを漂わせる。
作者の石黒正数さんは実はあんまりマンガは読んでこなかったらしく、最初に感化されたのは「ドラえもん」
ひとつ好きなものができると、とことん深堀するタイプらしいです。
それだけだと天国大魔境には遠い印象ですが、その間にAKIRA、つまり大友克洋作品があるとのこと。
中学生の時に父親と2人で観たときに「たぶん、一生この作品の影響から逃れられないんだろうな」という感触を今でも覚えているそうです。
そういわれてみると、ドラえもんとAKIRAの両方の要素が入っているようにも見えてきます。
どちらも世界的に有名なマンガ・アニメなので、その要素が混ぜ込んである作品という見方をしても面白いかもしれませんね。
本人も天国大魔境にAKIRAの影響が出ていることを自覚しているようですが、それを悲観的に捉えてはいない印象。
それを見て育ったのだからどうしても作画が寄ってしまうのは仕方のないこととし、それでも描写描写でAKIRAに寄せないようにすることは多々あるそうです。
これには、自分がAKIRAをやるなんておこがましい、恐れ多いといったところ。
マンガを描くにあたって、これまでは自分の半生が詰まった作品が多いのに対し、天国大魔境は「妄想」を詰め込んだマンガ。
つまり体験の伴わない「好きな感じ」を吐き出している作品らしいです。
結果として、逆にAKIRAを意識させないよう、寄せないような作品作りを心掛けているようですね。似ていることについても同義です。
もとをたどればAKIRAの作者である大友克洋さんも、メビウスというフランスの漫画に影響を受けています。
ちなみにですが 藤子不二雄、大友克洋、小原愼司、相原コージ、荒木飛呂彦の5人はどうしても入ってきてしまうとのことです(笑)
天国大魔境を観ながら5人の要素を探して楽しんでみてもいいかもしれませんね。
Disney+(ディズニープラス)で見逃し配信

天国大魔境は毎週土曜日22:00~ディズニープラスにて独占配信中
月額は税込みで約1000円とお得なプランですので、この作品が気になった方は是非。
しかしどうしてディズニープラスなのでしょうか、世界各国の言語で天国大魔境が楽しめるようになっていますが、ひょっとしたら世界に認められている作品なんでしょうか。
おわりに
天国大魔境のアニメ化にあたり、作品の詳細や個人の感想を書かせていただきました。
ドラえもんやAKIRAに影響されていたりと、作品のルーツがわかるとより楽しく拝見出来ますね。
天国大魔境のこの先の活躍に期待しています。