近年、不登校の小学生は増え続け、公表された2021年の不登校児童は、24万以上と過去最多になりました。
いじめも増える一方、ただ学校へ行きたくないなど、さまざまな不登校の理由があります。
不登校の子どもに対して心配事はいろいろありますが、その中でも一番気にすることは、「学力」と「社会性」です。
「無理やり学校に行かせるのはいやだし、でも家にいられても親が仕事に行けない…。」
そんな親御さんの悩みを解消し、【不登校を肯定的に受け止める】ためにも、無理なくできる自宅学習やホームスクールのやり方を紹介します!
もくじ
『その日のやること(カリキュラム)』を自分で決め、自主性を育む
不登校の間、家で過ごすなら、「その日何をするのか」を自分で決めることが自主性を育むためにとても大切なことです。
自主性がないと、不登校は親にとって難しくなってしまいがち。
自主性を身に付けるためにも、その日にすることを、朝に、お父さんかお母さんときちんと話し合いましょう。
例)Hくんのある1日
- 算数30分
- 国語30分
- 理科30分
- 社会30分
- ものづくり・1時間
- ピアノの練習・30分
- 好きなことをする時間・1時間
(他にも、外でサッカーの練習をする、おつかいに行く、オンラインフリースクールに参加する、など)
自分ができる範囲のことを、自分で決めることで、無理なく朝に決めたことを実行できます。
自宅学習の方法
市販の問題集や学校の教科書では、初めに決めた時間まで続かない場合もあります。
例えば、算数30分が長いと感じるときは、問題集1枚と「歴史まんが」などの学習まんがなど、リラックスしながら同時に学べるアイテムを利用するのも一つの方法です。
「嫌なことを続けていても、身にならない」というのがホームスクールの考え方にあります。
興味を持続させる工夫がしてある通信教育を利用するのも、自宅学習を継続するための良い方法です。
お子さんがやりたいと思える教材に出会うことが大切です。
どんな通信教育があるのか、それぞれの特徴をまとめました。
スタディサプリ
何度でも見られる映像授業とオリジナルテキストで学習ができます。
小学校1年〜高校3年まで、もどり学習と先取り学習としてコンテンツが開放されています。
ノルマ達成でできる特典のゲームもあり、子どもの楽しい学びを応援します。
費用が安いことが特徴です。
月額1815円〜2178円
すらら
学校や塾でも取り入れられている、無学年式オンライン教材で5教科を学ぶことができます。
ゲーミフィケーション形式という、ゲーム感覚で学びを楽しく継続できることや、AI機能により間違えた問題を効率よく学び直せることが特徴です。
またお子さんの学習について、相談できる機会があります。
全学年、費用は変わりません。
月額8228円または8800円
進研ゼミ小学講座
進研ゼミ小学講座は、紙のテキストと専用のタブレットを使った学習方法を選ぶことができます。
タブレットを使用した場合、お子さんの学年以前の学年の学習ができるなど、レベルにあった勉強をすることができます。
物語や音楽、ゲームを取り入れ、楽しく学べるように工夫されています。
学年によって、費用が大きく変わります。
月額3250円(1年生)〜7150円(6年生)
社会性の構築方法
不登校になり家にいることが多くなると、社会性やコミュニケーション能力が育たないと感じる親も多くいます。不登校児童の親御さんの相談先も含め、理解してくれる人がいると親の不安や心配も解消されます。
不登校のお子さんに対して否定的にならないためにも、自宅にいながら参加できる「オンラインフリースクール」を親子で利用することも一つの方法です。
オンラインフリースクールは、無料の団体もあり強制参加ではないので、不登校で家にいるお子さんの話し相手や勉強相手として、そして必要な時は親御さんの相談相手として利用することができます。
以下で2つのオンラインフリースクールをご紹介します。
ここでは「社会性」を育む場所として、
- 自由度が高い
- 費用が安く参加しやすい
ことに注目しました。
もちろん勉強の側面もありますが、通信教育のように、学校の教科書にあわせることや勉強の記録を提出することはあまりありません。
ココロカンパニー
ココロカンパニーは、無料のオンラインスクール。不登校の子どもたちの居場所として、平日10時〜15時まで開校。
出入り自由で、5教科の他に、お金の授業やプログラミングの授業もしています。
「実家感覚でのんびりしていってください」とホームページに書かれていて、親の相談場所としても電話やメールで夜8時まで受け入れています。
風の学校
群馬県に対面のフリースクールも運営する、オンラインスクールです。
月曜日と水曜日のみの開校で、時間も10時〜11時半と短めで、月々2000円〜2500円で入学金がないので気軽に始められます。
30分の学習タイムでは、Zoom上で、しずかに学習を進める部屋とわいわい交流しながら学習を進める部屋に分かれています。
その後の35分間のアクティビティタイムでは、料理、運動、音楽、創作、実験、プログラミング、交流などのプログラムが組まれています。
有料で個別学習のオンラインサポートもしています。
ここでは、2つのオンラインフリースクールをご紹介しました。
他にも、「通信教育」と「交流の場」を合わせたオンラインスクールもあり、このような学校では、バーチャルな学校の環境(メタバース教室)で実際に学ぶことができます。オンラインスクールには、SOZOWスクール、クラスジャパン小中学園などがあります。
また、社会性を育む方法として、オンラインの環境以外にも、小学生でも受け入れ可能なボランティア先を探すなど、休日でもできる活動が地域にある可能性もあります。
そして、何よりも大切なことは、社会性を育む基礎となるのは「家庭環境」です。
小学校低学年のお子さんでは、食事の準備など、まだまだ親の手助けが必要となる場合が多くありますが、まずはご家庭で、家族としての役割を与えることが大切です。
食事の準備や片付け、洗濯、そうじなどの毎日の家庭での役割を通じて、家族という社会で社会性の構築が始まります。
おわりに
お子さんが不登校になっても、すでに学校の選択肢がたくさんあり、将来的にはオンラインかオフラインの学校かを選ぶことが当たり前の社会になるかもしれません。
不登校のお子さんを持つ親御さんに、「あなたのお子さんも大丈夫!」ということを言い合える社会に今後はなっていくと思います。
不登校であっても、学習方法や日々の交流によっていろいろな可能性が広がります。
大切なことは、お子さんが不登校を選択したことを否定しないこと。
お子さんと話し合って、お子さんに合った学びの方法を選んでぜひ試してください。